小野高校放送部 全国大会、3部門で決勝進出 

全国大会で活躍し、記念撮影に臨む小野高放送部のメンバー=小野高校

全国大会で活躍し、記念撮影に臨む小野高放送部のメンバー=小野高校

 7月末に開かれたNHK杯全国高校放送コンテストで、6部門中3部門で兵庫県の小野高校放送部の作品が決勝まで進出した。全国大会で活躍し続けている同部だが、テレビドキュメント部門の決勝進出は初めて。惜しくも優勝は逃したものの、3作品はテレビやラジオで全国放送される。

 テレビドキュメント部門では、3年生チームの「グラウンドファーザー」が3位となった。同校野球部の練習や試合をビデオカメラに収め続けている小林絹次さん(77)=小野市中町=に密着した作品。野球部に入りたかった小林さんは、家庭の事情で高校進学を断念した。そんな小林さんの思いを知り、生徒らは野球部などとともに60年後の入学式を開いた。

 小林さんは「こんな感動は初めて。やり遂げることの大切さを伝えてくれた。6年後の高校野球第100回大会まで撮影し続けたい」。代表の神田悠那さん(17)は「放送部の歴史を変えることができた」。

 創作テレビドラマ部門では、3年生チームの「放課後30分」が準優勝。放課後の変わった内容の補習を通し、互いの欠点を補い合う大切さを訴える作品で、代表の吉田恵利子さん(17)は「たくさんの人に見てほしいと思ってきたので、決勝までいくことができてよかった」と話す。

 ラジオドキュメント部門では2年生チームの「希望の灯、ツナグ」が3位に入った。ボランティア活動をしている卒業生の思いや阪神・淡路大震災の直後に子どもを産んだ母親の思いなどを取材した。浅田真子さん(17)は「震災を人ごとにしないという思いで作った。東北の方から声を掛けてもらえた」と喜んだ。

 テレビドキュメントは14日、テレビドラマは15日のそれぞれ午前9時15分〜10時にNHK・Eテレで放映予定。ラジオドキュメントは19日午前9〜10時にNHK‐FMで放送予定。
 (高田康夫)(2012/08/05 09:15)