生徒(H22.2.10)


 生徒
                

午前と午後に二名ずつの生徒が
校長室へ来た
先日のプレゼンテーションの結果を報告に来た
四位だったという
審査員の好みが自分たちに向かなかっただけで
悔いはないという
澄んだ目がそれを証明していた
京都の大学が既に決まっていると言ったので
よく遊べよとアドバイスした
就職したら遊べないよと言ってやった
恋もしろよと言ってやった
沢山ねと
二人は照れながらも笑っていた

午後の二人は放送部の二年生で
二学期の終業式に話した尾崎豊の話について
インタビューに来たという
どうして今の時期に尾崎豊の話をしたのか
何が一番言いたかったのか等、聞かれた後で
別な話になった
先日修学旅行の結団式があったが
出張があったので放送で生徒にメッセージを送った
今の時期の体験は大切だという話しをし
自分の高校時代の修学旅行の話しをエピソードとして挿入した
四十年も前のことを告白した
バスガイドに恋心を抱き文通をしたと言った
あの話しはどうだったと聞くと
すごく良かったという
くすくすと笑ったという
拍手が起こったという
校長先生があんなことしゃべるとは思わなかったと言った
躊躇したけれどしゃべって良かったと思った
生徒はいい
やっぱり
元教員なんだよな
〜小野の遠眼鏡〜